住宅改修の手すりをお客様に提案するときの重要な考え方。

住宅改修で手すりを設置すると、
転倒のリスクの軽減、出来なかった動作が手すりによってできるようになる。
住宅改修の手すりは、在宅で生活していく中で、
「動作の助け」となる重要なポイントになります。

しかし、私も新人の福祉用具相談員の時には、
住宅改修の提案が出来なくて、悔しい思いをしたことがよくありました。

基本的なことは、誰でも分かります。

★手すりの高さは○○cmにあると持ちやすい。
★段差の解消は、お客様の脚が上がる高さに調整して設置する。

などは、誰でも分かります。

しかし、新人の私は、提案力が乏しくて、あるケアマネさんから、
住宅改修のお仕事の依頼が無くなってしまった経験もあります。

その反面、経験を積み、新たに私の住宅改修の提案を気に入ってくれて、
新たに住宅改修のお仕事を紹介してくださるケアマネさんも増えました。

いつまでも新人の福祉用具相談員といって逃げていては成長がありません。

この記事は、過去の私がどのようにして、
住宅改修の手すりの提案方法を学んできたのか。

また、住宅改修時には、何が重要で、何を意識しているのか。

住宅改修の経験の少ない
新人ケアマネさん、福祉用具貸与事業所の新人さんが、
これからどうしていけばよいのか?

私の元福祉用具相談員での住宅改修の経験をまとめました。



住宅改修の手すりの提案は難しい・・・

住宅改修の手すりの提案は、本当に難しいです。

なので、
新人ケアマネさん、福祉用具貸与事業所の新人さんは、
福祉用具の提案は得意でも、
住宅改修となると、苦手な方が多いのが現状です。

その理由は、
住宅改修には、家の構造を熟知しておく必要があるからです。
 
★ここに手すりは設置できるのか?強度はあるのか?

壁の裏にある梁の位置、
壁の種類、
柱の強度、
知っておくことがたくさんあり、また、
一軒一軒異なるので、
最初は、本当に難しいです。

私は、ある方法で、住宅改修の提案が自信を持って、
出来るようになりました。

それは、場数を経験したことでもありますが、
私が住宅改修が苦手な後輩の新人さんに教えていたことです。

そのある方法とは?

★住宅改修の提案時、ケアマネさんと同行してお客様宅に向かう時に、
工務店、施工業者さんに一緒に現場に立ち会ってもらうことです。

現状、住宅改修の流れは、

ケアマネさんから、依頼をいただき、

ケアマネさんと同行して、住宅改修の提案をする。

住宅改修の許可がおりる

口頭や写真で見せた情報をもとにして、
工務店、施工業者さんと手すりを設置しに行く。

住宅改修、完成

住宅改修の、この一般的な流れだと、
新人の経験の少ない時には、

「手すりの提案はできるけど、
この壁に手すり設置することできるのかな?」

という自分では自信を持てない問題が発生します。

この問題を解消するために、
住宅改修の提案時に、一緒に工務店、施工業者さんに来てもらい、
自分の提案した手すりが「設置可能かどうか?」
を見極めてもらうと、スムーズに提案が進みます。

もちろん、工務店、施工業者さんとの日ごろからの
信頼関係があっての話です。

私は、手すりが壁に設置できるのか自信がなく、
多分出来るだろうな、と思い提案して、
住宅改修の当日、
工務店、施工業者さんから、
「この壁には強度が無く手すりは付けられない」と
失敗してしまった経験があります。

この失敗の経験から、
自信を持って、住宅改修の提案をするには、

最初のお客様宅での提案の時に、
一緒に工務店、施工業者さんに来てもらい、
お客様、ケアマネさん、私の住宅改修の提案が施工可能かどうか、
その場で判断してもらうことにやり方を変えました。

この方法に変えてから、私の住宅改修の提案は、
スムーズ行くようになり、

また、手すりが「設置できる、出来ない」の判断が明確になり、
私も提案に自信が持てるようになりました。

家の構造を熟知してる工務店、
施工業者さんの意見も聞くことが出来、
私の知識も増えていきました。

私は、住宅改修の当日には、
現場で手伝いをすることにしてます。

もちろん邪魔にならないようにしていますが、
手すりを設置していく過程を自分の目でみて、
疑問に思うことは、聞いて、知識と経験を増やしていきました。

以上の方法で住宅改修を提案していくと、
1年後には、自分の住宅改修の提案に、自信が持てるまでに、
成長できます。時間と労力が必要ですが、得る経験は大きいです!



住宅改修の手すりを設置するときに重要な考え方

住宅改修の手すりの提案、設置は慣れてくれば、
出来るようになりますが、

私は、住宅改修の提案時には重要な考え方があると思っています。

私が意識している重要な考え方とは、 

「お客様が住宅改修で本当は何ができるようになりたいのか」

これを私は、まず、お客様との会話の中で、想いを理解して、

お客様、ご家族、ケアマネさん、施工業者さんと共有して、
住宅改修を提案しています。

例えば、トイレから立ち上がるときに、
手すりが一本欲しい。

とお客様のご家族、ケアマネさんが決めて、
私に住宅改修のお仕事を紹介してくださる時があります。

確かに、簡単な住宅改修になるのですが、

その時でも、私は、お客様本人の意見、
想いを必ず聞いて理解するように心がけています。

よくよく、お客様のお話を聞いてみると、

★本当は、左右に手すりがついていれば、もっと安心できる。

★縦型の手すり1本ではなく、公共トイレにあるようなL型の手すりがよい。

★トイレの中だけでなく、トイレの扉を開けるときに、左手で支える手すりが本当は欲しい。

などなど、お客様の本当の想いを理解する努力をしています。

(不必要な住宅改修、意味のない住宅改修をすすめるわけではありません)

私が全ての住宅改修で
「お客様が住宅改修で本当は何ができるようになりたいのか」
を意識した提案を続けた結果、

多くのケアマネさんから、

「あなたは、お客様の意見をちゃんと聞いてくれて、
お客様目線で住宅改修を提案してくれるので、安心して任せられる」

「お客様と会話して、本当に必要な住宅改修を提案してくれるので助かる」

「住宅改修後のお客様の生活が良くなった」

と言われるようになりました。

また、住宅改修のお仕事のリピートも増えました。

以上が私が住宅改修で意識している重要な考え方です。

私は、新人の頃は、住宅改修が苦手でしたが、

★住宅改修の提案時、ケアマネさんと同行してお客様宅に向かう時に、
工務店、施工業者さんに一緒に現場に立ち会ってもらうこと。

★「お客様が住宅改修で本当は何ができるようになりたいのか」

上記の方法で苦手を克服することが出来ました。

是非、参考にしてみてください!

(現在は福祉用具専門相談員は辞めていますが、
近所の高齢者のお宅の手すりの提案をしたりしてます。
簡単な手すりなら、自分で設置します。

すると、お友達の方からも、
お宅を見て手すりの提案と設置をしてほしいとよく言われます(笑))

以上、
住宅改修の手すりを提案する時に重要な考え方
でした。